宮津の歴史と地元の「おいしさ」に触れる旅

旅とトレイル

宮津の歴史と地元の「おいしさ」に触れる旅

日本三景のひとつ「天橋立」があることでも有名な宮津市は、JR大阪駅から京都丹後鉄道宮津駅まで電車でおよそ3時間、京都駅から2時間の距離にある街です。

豊かな自然を誇る宮津市には、平安時代からの歴史ある古道や何百年と続く老舗の酒蔵などまだまだ知られていない観光スポットが多数あります。

旅してみたいなと調べていると、2020年にオープンした移住者の寺田さんご夫婦が営むというおむすびやさんが目に留まりました。

「ランチはここにしようかな」

わくわくしながら、宮津の今と昔を感じる旅へ出かけました。

江戸時代からつづく「ハクレイ酒造」で酒蔵見学

江戸時代からつづく「ハクレイ酒造」で酒蔵見学
江戸時代から続く老舗の酒蔵 ハクレイ酒造

最初に尋ねたのは江戸時代から続く酒蔵「ハクレイ酒造」。
宮津駅から車で20分、最寄駅の丹後由良駅からは徒歩6分の距離にあります。

駐車場に車を停め、お店までの小道を歩いていくとお酒の良い香りが。おいしいお酒に期待がふくらみます。

代々伝わる酒造りの歴史を学ぶ

まずは壁に貼られた絵を基に、蔵の歴史や酒造りへのこだわりを教えていただく酒蔵見学に参加させていただきました。
ハクレイ酒造では、大江山連峰に属する「由良ヶ岳」から流れ出る不動の滝の水「不動山水(ふどうさんすい)」を仕込み水に使用。超軟水の仕込み水が、まろやかな味の秘訣です。酒米は京都府産のものにこだわり、例えば「香田(こうでん)」は地元の契約農家で特別栽培された「山田錦」を使用しています。

見学コースには新酒の完成を知らせる杉玉やお米の見本が展示されています。代々伝わる酒造りの様子が描かれた絵や桶に、息子も興味津々。お酒が7000Lも入る大きな樽に驚き、先人の知恵に感心させられました。

試飲コーナーでは好みの銘柄を見つけることも可能

酒造りの歴史を学んだ後は、店内へ。試飲コーナーでは多種多様なお酒の中から、自分好みのお酒を選ぶことも可能です。

左:酒粕甘酒プリン 右:蔵マドレーヌ

蔵スイーツと呼ばれる酒蔵ならではのお菓子も販売されており、ここでしか買えないものも。さっそく「酒粕甘酒プリン」と「蔵マドレーヌ」を購入し、自宅で堪能しました。包装を開けると、ふわっとお酒の良い香りが漂い食欲をそそります。なめらかで口溶けの良い上品な味のプリンに舌鼓。家族全員で食べたマドレーヌは、子どもたちにも大好評でした。

左から、酒呑童子京梅酒、白嶺vivid (赤)

ハクレイ酒造といえば、「白嶺」や「酒呑童子」などのお酒が有名ですが、最近は女性にも飲みやすい日本酒「白嶺vivid(赤)」、梅酒や苺のスパークリングなどのリキュールも新しい商品が開発されています。
「白嶺vivid(赤)」を一口飲んでみると、ワインのようなフルーティーさのある味でした。

お酒が好きな人はもちろん、普段はあまりお酒は飲まないという方も楽しめます。

【ハクレイ酒造】
定休日:毎週水曜日と年末年始( 12月31日~1月4日) 
営業時間: 9:00~17:00
所在地:京都府宮津市字由良949
電話:0772-26-0001
WEB:https://www.hakurei.co.jp/
※酒蔵見学は要事前予約

ハクレイ酒造

地元米を使ったおにぎりカフェ「musubi」で絶品ランチ

地元米を使ったおにぎりカフェ「musubi」で絶品ランチ
寺田さん夫妻が営まれているおにぎりとおやつのお店「musubi」

お昼ごはんは、ハクレイ酒造から車で25分ほどの距離にある、おにぎりとおやつのお店「musubi」でいただきます。
musubiは、地域おこし協力隊として移住して来られた寺田俊介さん、亜由美さんご夫妻が経営されているカフェ。地元、上宮津産のお米を使ったおいしいおにぎりが看板メニューです。

明るく開放的な店内には薪ストーブも

店内は、古民家を改装したおしゃれな内装で、薪ストーブが印象的。カウンターの窓からは美しい山と川越しに京都丹後鉄道の列車が走っていくのが見え、ゆったりとくつろげる空間です。

この日いただいた「発酵デリプレート」は、季節の野菜と発酵調味料を使ったおかずとおにぎり、お味噌汁がセットになったもの。
「豆腐とりんごの白和え」や「お芋の甘辛煮」などおいしくてヘルシーなおかずは、体も喜ぶ優しい味がしました。

1品1品が丁寧に作られており、見た目も鮮やかな「発酵デリプレート」

おにぎりの具は塩・梅・鮭・昆布など7種類から選ぶことができます。どれもおいしそうで迷います。

悩んだ末にお米本来の味を味わおうと、塩むすびを注文。一口食べてみて、びっくり。お米の甘みが感じられ、普段食べているお米とは全く異なるおいしさでした。

お米のおいしさは子どもたちにもすぐに分かったようで、自分の手よりも大きなおにぎりを
「おいしい。おいしい。」と頬張っていました。


寺田さんご夫妻のパワフルさとおいしいランチにパワーをいただき、お店を後にしました。


【おにぎりとおやつ musubi】
定休日:月曜日・火曜日 
営業時間: 水〜土11:30-16:00/18:00-20:00、日18:00-20:00
所在地:京都府宮津市喜多1152
電話:090-6551-5766
WEB:https://www.kamiyazulab.com/access
※営業時間はコロナ情勢等によって変わる場合があります。

おにぎりとおやつ musubi

1200年前から続く歴史ある道「普甲道(ふこうみち)」を散策

1200年前から続く歴史ある道「普甲道(ふこうみち)」を散策
京都の自然二百選にも選出された「石畳の道」

旅の最後は、musubiから車で10分ほどの距離にある「普甲道」へ。

普甲道とは宮津から大江山連峰につながる古道のこと。
平安時代から使われていたといわれる、元普甲道(もとふこうみち)は、福知山市の毛原から宮津市の金山までつづく約9キロの道で、江戸時代になってから、今普甲道(いまふこうみち)とよばれる参勤交代や西国三十三所巡礼の道が開かれました。

今回は子どももいたので、普甲道の中でも歩きやすい「石畳の道」を散策してきました。

石畳の道は「京都の自然二百選」にも指定されている自然豊かなスポットです。山の中に足を一歩踏み入れると、凛とした空気に包まれます。少し落ち葉に埋もれていましたが、山頂へと続く石畳の道を歩くと江戸時代にタイムスリップしたかのように錯覚します。

空高く伸びる大木は圧巻

息子も空に向かって真っ直ぐに伸びる大木や、苔むした石に興味津々で、「昔の人もこの道を歩いたんだよ」と話すと「そんなに昔からあるんだねっ!」と感動していました。


長い歴史のある普甲道ですが、利用者が減ると雑草や木々で通行できなくなることから、有志の方々を中心に古道の修繕や復元を行う「古道普請(こどうふしん)ツアー」や「トレイルウォーク」も定期的に実施されているそう。

美しい古道とその長い歴史に心を動かされました。

宮津で歴史を感じる

宮津で歴史を感じる
普甲峠からの帰りにみた宮津市街を一望できるスポット

美しい自然とそこで生きる人々の営みが調和するまち、宮津。

脈々と受け継がれてきた酒造りの歴史を感じながらいただいた名酒、上宮津産の絶品おにぎり、そして平安時代から続く歴史を感じた普甲道。

どれもとっておきの体験ばかりで、お腹も心も満たされた旅でした。
歴史好きの方や宮津のおいしいもの巡りをしてみたいという方はぜひ、出かけてみてはいかがでしょうか。

Share

カテゴリ一覧に戻る