ニューノーマルの時代 豊かな日常を伝えたい

DMOコラム

ニューノーマルの時代 豊かな日常を伝えたい

「Withコロナ」の新たな観光

突然世界を襲った「新型コロナウイルス」は瞬く間に日本全国に広がり、1月に我が国で初めて感染者が確認されてから7カ月(8月21日現在)で感染者累計が6万人を超え、現在も連日都市部を中心に感染者数が増え続けている状況です。海の京都エリアは京阪神に近い地域ですが比較的感染者が少ない状況で推移しています。
感染症対策の基本としては、ソーシャルディスタンス(身体的距離)の確保やマスクの着用、手洗いが推奨されています。これに加え、日常生活では、いわゆる「3密」の回避や、換気、検温・健康チェック、働き方については、テレワークや時差通勤などの「新しい生活様式(ニューノーマル)」が推奨されています。
いまだ先が見えない「withコロナ」の状況下において、人々の生活はもちろん、観光産業についてもこの「新しい生活様式」を取り入れた取り組みが大前提となっています。
withコロナ社会において観光客が求めるものは「安心・安全」です。海の京都DMOでは、新型コロナウイルス感染症対策が重要と考えさまざまな取り組みを進めています。

海の京都の感染症対策

旅行商品を販売する部門である「海の京都DMOツアーセンター」では、海釣りやシーカヤックなどの自然・アクティビティ体験や丹後ちりめん本格着物体験、ろくろ回しなどの文化的体験など海の京都ならではの魅力的な体験プログラム商品を100以上取り扱っています。
そんな自慢の体験プログラムをコロナ禍でも安心して楽しんでいただくため、6月には独自の新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインを策定し、体験プログラム事業者へ配布しました。
最初に体験プログラム事業者向けのガイドライン策定に取り組んだのは、宿泊施設や飲食業、交通事業などは業界ごとにいくつかガイドラインが発表されましたが、体験プログラムは事業者ごとにサービス内容がさまざまでお客様への対応もそれぞれ違うことから、各業界のガイドラインをそのまま当てはめるのが難しく、事業者の皆さんの感染症対策に対する困惑が大きかったことが大きな理由でした。
またガイドラインだけでなく、ガイドラインに沿って事業者が取り組んでいる具体的な内容を分かりやすいイラスト(ピクトグラム)で説明したポスターを作製し、掲示することでお客様へのアピールと事業者自身の意識の向上に努めました。
これらの取り組みが功を奏し、7月の体験プログラム商品の販売は数・額ともに昨年比約130パーセントと大変多くの方にご利用していただくことができました。

観光客の理解と協力が不可欠

新型コロナウイルス感染症対策の実施には、観光客の皆さんの理解と協力が不可欠です。
当地域の複数の宿泊施設から「チェックインされた後にマスクを着けずに動く客様が多い。注意の声掛けをすべきか迷う」という声を聞きます。感染者の少ない当地域で宿泊施設のしっかりとした感染症対策への安心感と観光の開放感によりそのような行動をとってしまったのでしょうが、宿泊施設にとっては大きな問題です。
海の京都DMOでは、7月からエリア内の宿泊施設や飲食店で使える割引クーポンを発行する「海の京都サマーバケーションキャンペーン」を実施しました。宿泊施設の声を聞く中で、キャンペーン実施に合わせて、宿泊事業者向けと飲食店向けの感染症対策ガイドラインを策定するとともに、訪れていただいた観光客に向けて感染症対策への協力を呼び掛けるオリジナルポスターを作成しました。「マスク着用」「手指消毒」「人との間隔の確保」をイラストで呼びかけるポスターを各施設で掲示することで観光客に感染症拡大防止に一緒に取り組んでほしいと訴えるデザインになっています。ポスターは多くの観光客の目に触れ、「エリア全体で感染症対策に取り組んでいる」と感じていただき、感染対策への協力と「安心・安全な海の京都」という印象を持っていただけたと考えています。

まもろう3つの約束~安心・安全な海の京都の実現を目指して~

まもろう3つの約束~安心・安全な海の京都の実現を目指して~

withコロナ社会の新しい観光スタイルの提案

新型コロナウイルス感染拡大は観光産業にとって現時点で間違いなく「マイナス」ですが、一方でこういう時だからこそできることもあるのではないかとも考えます。
今回ホームページ上で公開を始めた「海の京都Times」もそういった取り組みの一つです。
「海の京都Times」では、複数のライターが海の京都の観光資源をそれぞれの視点で掘り下げた記事として紹介します。ある観光資源について、ガイドや現地の人から聞くような正確で深い情報を発信することで、より興味を持ってもらい誘客につなげようという試みで、withコロナ社会の新しい観光スタイルとして提案しています。また、観光コンテンツにまつわる歴史や文化的背景、暮らしとの関わりなど、これまでホームページやパンフレットで伝えきれていない。また、紹介できていないような記事の内容を詳しく書くことで、今までと違う層に訴えかけ、新たなファンを獲得することが狙いです。
取り上げる内容はこの記事を書くための特別なものではありません。この地域に以前からあった日常の風景や物事、暮らしなどを切り取ったものです。
初公開の記事は、海の京都を語るのに欠かせない「海」、地域を代表する産業として1300年前から伝わり進化し続ける「シルク」、みんなを笑顔にする旬の「フルーツ」をテーマにした3本。どれも取材にもとづく詳しい情報と何よりライターの想いが伝わってくる内容です。
今後2週間に1本のペースでさまざまなテーマを取り上げて公開していきます。「海の京都Times」で海の京都の「豊かな日常」を感じてください。

知らなかった人は海の京都の魅力を感じ、知っている人は新しい魅力を再発見していただけることでしょう。この記事を通してあなたの「新たな生活様式(ニューノーマル)」を考えてみては。


海の京都DMO 社長 森屋松吉

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