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大江山|ハイキング ~自分にあった楽しみ方を~

京都府北部、丹後半島の玄関口、4つの市町、舞鶴市(まいづるし)、福知山市(ふくちやまし)・宮津市(みやづし)・与謝野町(よさのちょう)にまたがる、大江山連峰(おおえやまれんぽう)。一般的に「大江山(おおえやま)」と呼ばれる大江山連峰は赤石ヶ岳(あかいしがたけ)、千丈ヶ嶽(せんじょうがたけ)、鳩ヶ峰(はとがみね)、鍋塚(なべづか)など、4つ連なった山の総称。ルートもさまざま。それぞれの山頂をめざすも良し、ちょっこりハイキングをたしなむも良し。つなげて縦走(トレイル)するも良し。お手軽ルートで景色を楽しむも良し。自分にあった「大江山」の楽しみ方をみつけよう。

<熊の出没情報について>
山へ入る際は熊に十分ご注意下さい。京都府のツキノワグマ出没情報及び注意事項について

feature

大江山登山の特徴

大江山登山の特徴

大江山には4つの頂上がありそれぞれ開けた展望が楽しめます。草原の尾根に伸びる一本の道、眼下に広がる加悦谷のうつくしい田園風景、視界の先には天橋立など日本の景勝を含む日本海が広がります。条件がそろえば雲海を見ることもできます。 

 また登山口も複数あり、ルートも様々。はじめて山登りをやってみようと思われる方々にもおすすめのビギナールートや、約16kmにも及ぶロングトレイルルートも整備されています。また、運動がどうしても苦手だという方にも、絶景のパノラマを楽しんで頂ける裏技ポイントまで、万人が楽しめる懐の大きなやさしい山です。まずは大江山登山の王道ルートでありビギナーの方にもおすすめのルートをご紹介します。

大江山 登山ルート

体力難易度

・・・・・ソフト
★★・・・・ハード
★★★・・・ベリーハード

加悦双峰公園ルート 

加悦双峰公園ルート 

体力難易度:

与謝野町加悦双峰公園~千丈ヶ嶽をピストンするルートです。道幅が広く、縦走路までの距離が短いため初心者におすすめのコースです。午前中に加悦双峰公園をスタートすれば、ちょうど昼食時に大江山連峰最高峰▲千丈ヶ嶽:832.4mに到着できます。畳千畳あると言われる名前の通り千丈ヶ嶽頂上は、山頂とは思えないだだっ広い原っぱで眺めもよく絶好の休憩所となります。スタートの加悦双峰公園にはキャンプ場も併設しておりHIKE&CAMPでがっつり大江山の大自然であそんでみるのもおすすめです。

コースタイム:

のぼり 2:10

くだり 1:10

片道距離:2.2km

駐車場:加悦双峰公園

トイレ:加悦双峰公園

下山後のご当地温泉:リフレ加悦の里

下山後のご当地ラーメン:和風豚骨麺屋チャクリキ

キャンプ場予約:加悦双峰公園キャンプ場

赤石ヶ岳ルート

赤石ヶ岳ルート

体力難易度:

大江山連峰最南端の独立峰です。加悦双峰公園から5分で眺めのよい鞍部へあがり尾根を登っていきます。途中大きな岩がごろごろしたところもありアスレチック感覚でお楽しみいただけます。赤石ヶ岳山頂へあがるとひと昔前の観光遺産モノレールの跡がみられます。

コースタイム:

のぼり 0:45

くだり 0:35

片道距離:1.4km

駐車場:加悦双峰公園

トイレ:加悦双峰公園

下山後のご当地温泉:リフレ加悦の里

下山後のご当地ラーメン:和風豚骨麺屋チャクリキ

池ヶ成ルート

池ヶ成ルート

与謝野町から大江山を登山するルートの一つです。池ヶ成キャンプ場(現在残念ながら閉鎖中)の登山口からの杉林をのぼり大芝原分岐にたどりつきます。右へ行くと▲鍋塚 762.9m・▲鳩ヶ峰 745m・千丈ヶ嶽 832.4m方面、左へ行くと鬼の岩屋・航空管制塔 730m方面。大芝原分岐は赤石ヶ岳~大江山連峰~赤岩山を縦走する健脚ルート、「赤赤トレイル」のちょうど中間地点に位置します。

体力難易度:

コースタイム:池ケ成~鍋塚

のぼり 1:00

くだり 0:50

片道距離:1.4km

駐車場:池ヶ成キャンプ場(キャンプ場は閉鎖中)

トイレ:池ヶ成キャンプ場(キャンプ場は閉鎖中)、鍋塚休憩所(11~3月閉鎖)

 

コースタイム:池ケ成~航空管制塔

体力難易度:

のぼり 0: 50                                                                                

くだり 0:30

片道距離:2.0km

駐車場:池ヶ成キャンプ場(キャンプ場は閉鎖中)

トイレ:池ヶ成キャンプ場(キャンプ場は閉鎖中)

下山後のご当地温泉:リフレ加悦の里

下山後のご当地ラーメン:和風豚骨麺屋チャクリキ

千丈ヶ原川ルート

千丈ヶ原川ルート

体力難易度:★★

福知山市大江町の大江山グリーンロッジから千丈ヶ嶽をめざすルートです。鬼嶽稲荷神社までは舗装された路を歩きます。鬼嶽稲荷神社は遠方からお参りに来られる方も多い商売繁盛の御利益のある神社としても有名です。星空の綺麗な夜の明けた朝方、とくに10月末から11月にかけては綺麗な雲海がみられるスポットとして人気があります。車で雲海を見に行かれる際は、道が細く駐車スペースが限られているのでご注意ください。駐車マナーを守りましょう。

コースタイム:

のぼり 2:10

くだり 1:40

片道距離:6.3km

駐車場:大江山グリーンロッジ

トイレ:大江山グリーンロッジ、鬼嶽稲荷神社

下山後のご当地温泉:大江山グリーンロッジ

下山後のご当地そば・うどん:大江山グリーンロッジの雲海うどん食堂大江山の鬼そば

赤赤縦走路ルート(加悦双峰公園~赤石ヶ岳~大江山連峰縦走~赤岩山~西方寺平集会所ゴール)

赤赤縦走路ルート(加悦双峰公園~赤石ヶ岳~大江山連峰縦走~赤岩山~西方寺平集会所ゴール)

体力難易度:★★★

▲赤石ヶ岳736.1m、▲千丈ヶ岳832.4、▲鳩ヶ峰746m、▲鍋塚762.9m、航空管制塔730m、普甲峠、茶屋ヶ成、▲杉山697m、▲宇野ヶ岳694m、▲赤岩山669mを縦走する全行程22kmのルートです。両端の赤石ヶ岳と赤岩山の頭文字をとり「赤赤縦走路」と呼ばれています。縦走する際、公共の交通機関でのアクセスがないため、ゴール地点に車をデポジットしてスタート地点に移動されるのをお勧めします。西方寺平集会所(舞鶴市西方寺)へ車をデポされる際は、できるだけ端から駐車いただくようお願いします。マナーを守って楽しみましょう。長距離長時間の山行となりますので、無理のない登山計画をたてましょう。

赤石ヶ岳から鍋塚まで:稜線沿いは道が明瞭で見晴らしが良く快適に登山できます。鳩ヶ峰と鍋塚休憩所の間は粘土質で滑りやすいためご注意ください。赤石ヶ岳の中腹に大きな岩が露出した箇所があり注意が必要です。

鍋塚から普甲峠まで:鍋塚には高い木がないため360°のパノラマがたのしめます。鬼の岩屋は大江山に住んでいたとされる鬼の王、酒呑童子の住処であったとされています。航空管制塔からの展望も抜群によく加悦谷から阿蘇海、宮津湾が望めます。

普甲峠から赤岩山まで:なだらかで幅の広い稜線であるために、眺望はきかないが森林浴を楽しみながら歩くことができます。赤岩山と宇野ヶ岳からの宮津湾の展望をお楽しみいただけます。途中、樹齢300年を超える天然杉がそびえ、貴重な植物もたくさん。

1day トレイルの場合:健脚の方、トレイルラン向け

コースタイム:15:15

距離:22km

加悦双峰公園>>赤石ヶ岳>>加悦双峰公園乗越>>千丈ヶ嶽>>鳩ヶ峰>>鍋塚休憩所>>鍋塚>>大芝原分岐>>鬼の岩屋>>航空管制塔>>普甲峠>>茶屋ヶ成>>杉山>>宇野ヶ岳>>宇野ヶ岳・赤岩山鞍部>>赤岩山>>宇野ヶ岳・赤岩山鞍部>>ダイラ道(舞鶴側)>>西方寺平集会所

 

1night2dayトレイル

Day1:加悦双峰公園~池ヶ成登山口

コースタイム:5:45

距離:7.9km

加悦双峰公園>>赤石ヶ岳>>加悦双峰公園乗越>>千丈ヶ嶽>>鳩ヶ峰>>鍋塚休憩所>>鍋塚>>大芝原分岐>>池ヶ成登山口>>かや山の家

宿泊:かや山の家

居心地のよい共有空間と地元の食材を使った食事がとてもおいしく、クラフトビールをはじめ美味しいお酒もたのしめます。ご予約の際に、1泊2食付き、翌日のお弁当のご注文をし、池ヶ成登山口までの送迎付きでのご予約をおすすめします。

Day2:池ヶ成登山口~西方寺平集会所

コースタイム:10:10

距離:15.3km

かや山の家>>池ヶ成登山口>>大芝原分岐>>鬼の岩屋>>航空管制塔>>普甲峠>>茶屋ヶ成>>杉山>>宇野ヶ岳>>宇野ヶ岳・赤岩山鞍部>>赤岩山>>宇野ヶ岳・赤岩山鞍部>>ダイラ道(舞鶴側)>>西方寺平集会所

両ルート共通

駐車場:加悦双峰公園、西方寺平集会所

トイレ:加悦双峰公園、鍋塚休憩所、茶屋ヶ成、西方寺平集会所

下山後のご当地温泉:リフレ加悦の里たかお温泉 光の湯福知山温泉 養老の湯

下山後のご当地ラーメン:麺屋チャクリキ跳満

下山後のスイーツ:ヴィーガンカフェ&ロッジ CLOUD8

宮津街道(元普甲道・今普甲道)1dayトレイルルート

宮津街道(元普甲道・今普甲道)1dayトレイルルート

体力難易度:★★

歴史ある石畳の道、宮津街道とTHE NIPPON の里山集落の風景、茶屋が成、二瀬川の渓流、お伊勢さんのふるさと元伊勢内宮皇大神社を巡るルートです。ピークハントをめざす登山ではありませんが、「美しい日本」の源風景をおたのしみいただけます。また下山後のラーメンのレンジがポジティブに狂おしいほど広いのも特徴です。

コースタイム:4:35

距離:13.4km

丹鉄大江山口内宮駅より下り乗車>>辛皮駅下車>>案内板>>普賢堂>>茶屋が成>>普甲峠>>新童子橋>>天岩戸神社・元伊勢皇大内宮神社>>丹鉄大江山口内宮駅

駐車場:大江地域観光案内所

トイレ:茶屋が成、大江山グリーンロッジ、元伊勢神社境内

下山後のご当地温泉:大江山グリーンロッジ、福知山温泉 養老の湯

下山後のご当地ラーメン:とん吉、ラーメン一こく、麺屋ソミーズ、来来亭福知山店、らーめん格別屋ヤ福知山店、長浜ラーメン一番 福知山駅前店、キラメキノ太陽 ふくちやまふくちあん本店つけ麺本舗ぐういりんだいらーめん藤 福知山店天下一品 福知山店札幌ラーメンどさん子 福知山店、第一旭 福知山店、担々麺専門店 千華、俺んち、中華サン、金時

航空管制塔ルート

航空管制塔ルート

体力難易度:なし

大江山のパノラマを体感したいけど運動が苦手な方に裏ワザ!航空管制塔:歩行約2分 ドライブコース山の頂上には、歩かなくとも、車で上ってたどり着けるドライブスポットもあります。大江山連峰にもそんな頂上が一つ。山の名前こそ付けられていませんが、大江山の航空管制塔は立派な山の頂上です。航空管制等に車を停め、宇宙ステーションのような航空管制塔を左に見ながら鬼の岩屋方面へ歩くこと約2分、加悦谷平野と宮津湾を望む清々しいパノラマが広がる眺めの良い原っぱが。木製のベンチも設置してあります。パラグライダーの発射台が写真映えポイントでポーズがやたら決まります。有酸素運動が苦手な方も、安心して山の頂上を楽しめます。お弁当を持ってきてのピクニックも良いですね。たのしい大江山での思い出以外は全てお持ち帰り下さい。ゴミはすべてもちかえりましょう。

大江山とは?

大江山とは?

大江山(おおえやま)は京都府北部、丹波と丹後の境界、丹後半島の付け根に位置します。山域は舞鶴市、福知山市、宮津市、与謝野町の4つの市町にまたがっており、まさに丹後の玄関口のような山です。別称、大枝山・与謝大山・千丈ヶ嶽。一般的に(地元では)大江山と呼ばれていますが、大江山と呼ばれる頂上をもった峰はなく、赤石ヶ岳(あかいしがたけ、736.2メートル)、千丈ヶ嶽(せんじょうがたけ)832.5メートル、鳩が峰(はとがみね)、746メートル、鍋塚(なべづか)762.9メートルの4つの山頂がある連なった山を総称して大江山連峰といい、地元ではこの山域一帯を指して大江山と呼んでいます。

大江山連峰最高峰千丈ヶ嶽(せんじょうがたけ)には二等三角点「千丈ケ岳」、鍋塚(なべづか)には三等三角点「大江山」、赤石ヶ岳(あかいしがたけ)には三等三角点「赤石岳」が設置されています。千丈ヶ嶽(せんじょうがたけ)山頂からは南西側に間近に三岳山(みたけさん)、西側に氷ノ山(ひょうのせん)、南東側に丹波高地の山々、福知山および綾部市街、鍋塚(なべづか)からはは360°の展望が開け、若狭湾、丹後半島を始めとして、視程の良い日には兵庫県の氷ノ山や福井県の白山、京都市の愛宕山を望むことができます。

南方系と北方系の植物が交じり合う植物の宝庫としても知られ、新・花の百名山にも選定されています。樹種も豊富で、山腹にはブナの原生林が広がり、稜線付近はナナカマドやヤマボウシ、山頂には笹原が広がる。福知山側、八合目の鬼嶽(おにたけ)稲荷神社付近には、ブナ、ミズナラの原生林が残り、サワグルミ、ムシカリ、ナナカマド、トチノキなどの樹木、ウワバミソウ、ツリフネソウ、トチバニンジンなどの草が見られ、森林浴の森100選に選定されています。また、ツキノワグマ、シカ、イノシシ、など動物も多く、春はミソサザイやコガラ、新緑の季節にはオオルリやキビタキ、初夏はホトトギスやヨタカ、コルリ、秋にはアトリ、マヒワなど、京都でも屈指の探鳥地です。また、秋の早朝に見られる雲海は、大江山一帯を神秘のベールの中に包み込みます。2007年に、丹後天橋立大江山国定公園として国定公園にも指定されています。

近年、与謝野町の赤石ヶ岳(あかいしがたけ)から千丈ヶ嶽(せんじょうがたけ)、宮津市の普甲峠(ふこうとうげ)を経由し舞鶴市の赤岩山(あかいわやま)へ至る全長16kmの「赤赤縦走路(あかあかじゅうそうろ)」を中心に、大江山の自然や歴史を満喫できる全長84kmのロングトレイルルート「大江山連峰トレイル」が開設され「大江山連峰トレイルクラブと地元の方々を中心に、ルート整備が行われています。

海の京都Times「響け恋の歌 野鳥と友達になる旅を」

海の京都Times「響け恋の歌 野鳥と友達になる旅を」

夜明け前の大江山。青く茂った森の中から無数のさえずりが湧いてくる。いったい何羽いるのだろう。椅子に腰掛けて目を閉じてみた。シジュウカラやホオジロなどの聞き覚えのある声だけではない・・・
続きはコチラから
(野鳥の声も聞けます)

ご一緒に登ってみませんか!? 「大江山へGO HIKINGツアー」

ご一緒に登ってみませんか!? 「大江山へGO HIKINGツアー」

登山が初めての方にお薦めのハイキングガイドツアーがあります!
所要時間:約2~3時間 ※参加者の体力により異なります。/ 集合場所:加悦双峰公園
参加料金:お一人 5,000円 (18歳以下 2,500円)

自然豊かな大江山を気軽に楽しむ、難易度の限りなく低いハイキングです。エクササイズ感覚でご参加ください。見晴らしの良い気持ちのよい場所で、コーヒー(コーヒーの飲めない方は別の飲み物)&スイーツを頂きます。

「大江山へGO HIKINGツアー」ご予約はこちらから

このルートの山道は歩きやすく・・・
鳥のさえずりが登山者を癒してくれます。

ちょっと、コーヒーブレイク!

大江山登山の代表的ルート紹介 / 鬼伝説(福知山市、宮津市、与謝野町)

大江山登山の代表的ルート紹介 / 鬼伝説(福知山市、宮津市、与謝野町)

大江山には、時を経て3つの鬼伝説が伝わっています。1つは弥生時代、陸耳御笠(くがみみのみかさ)・匹女(ひきめ)を首領とする土蜘蛛(つちぐも)の伝説。2つ目は飛鳥時代、英胡(えいこ)・軽足(かるあし)・土熊(つちぐま)という三鬼を首領とする悪鬼の伝、3つ目は、平安時代、一条天皇の頃。西暦1000年前後のお話で鬼ランク1位、最強の鬼であり鬼の王、酒呑童子(しゅてんどうじ)のお話。大江山とその周辺には鬼スポットや鬼グルメ、鬼アート、鬼博物館まで、様々な鬼たちがいたるところにいまもなお凄んでいます。「鬼」とは一体どんなものたちだったのか。神か幻か、化け物か、それとも人なのか。鬼の謎に迫る!?

詳しくはこちらを御覧下さい>>>クリック

幕末の歴史や鬼の伝説を全身で感じるスピリチュアルな体験ができるガイドツアー体験

所要時間:約2時間〜3時間
参加料金:お一人 2,500円

鬼の遊び場めぐり ご予約はこちらから

ミステリアスかつディープな歴史を地元のおっちゃんのガイドでのんびり歩きながら見どころを巡り宮津街道を満喫するガイドツアー

所要時間:約3.5時間
参加料金:お一人4 ,500円(昼食付)

宮津街道おじさん×鬼博 てくてくウォーキング ご予約はこちらから

鬼にまつわるエトセトラ。日本・世界の鬼のことがわかる!京都府福知山市大江町に佇む鬼の博物館

日本の鬼交流博物館はこちら

大江山の鬼についてさらに記事を読みたい方はコチラ↓
鬼の京都:鬼伝説とゆかりのスポット
福知山市の大江山“鬼伝説”と天橋立(丹後半島)の鬼モデルコース

大江山登山の代表的ルート紹介 / 平安時代にシンクロする千年古道(宮津市、福知山市、舞鶴市)

大江山登山の代表的ルート紹介 / 平安時代にシンクロする千年古道(宮津市、福知山市、舞鶴市)

大江山には中世の交通遺跡である石畳の古道、「千年古道」が福知山市毛原から宮津市金山まで今現在も残っています。正式名:普甲道は、古代官道である山陰道の支線で、氷上郡から福知山、加悦谷を通り丹後府中(宮津市)に抜ける道の途中より分岐し、同じく丹後府中に至る道で、福知山から河守、内宮、毛原を抜けて辛皮から金山まで抜ける道です。後に開かれる仏性寺から中の茶屋、小田へ抜ける道(今普甲道、宮津街道)と分けて元普甲道と呼ばれることもあります。古代から中世にかけての普甲道の実態については、必ずしも明らかでありませんが、丹波から丹後国府へ至る経路としては最重要の道路であったと考えられています。

 近世以降では、地誌類や旅行記などにも記載がされるようになりますが、普甲道を通らずに由良川の水運を経て宮津、府中へと抜ける筋もよく用いられていたようです。なお、藩主の参勤交代の際には、多く普甲道が用いられていました。

 途中の小字寺屋敷には、「普甲寺」という寺があったとされています。「普甲寺」は、平安時代には存在していたことが確実な山岳寺院で、「大寺」であったとされていますが、成立年代や経緯、開山等はいずれも不詳です。『伊呂波字類抄』では、延喜年間の創始とし、『塵芥抄』では美世上人が開山しました。ただし、この美世上人については、他書に記載が確認できず、事跡等は不明です。『沙石集』『今昔物語集』などに、関連の説話が載っています。この説話である「始丹後国迎講聖人往生「普甲寺」の歴史的な経過は資料が少なく、不明な点が多いのですが、現在も普甲寺跡には普賢堂が残っているほか、礎石や垣、小祠などが一部残っています。ただし、建物等は当時のものではなく、後世に整備されたものと考えられています。普甲寺は、中世まで続き、一説には、安土桃山時代に焼失したともされていますが、詳細は不明です。

また、現在地は不明ですが、普甲峠周辺には、平安時代に編纂された「延喜式」に記載のある式内社「普甲神社」が存在していました。祭神は伝承によると大直毘神。宮津市小田の日吉神社に比定する説もありますが、不明です。

江戸時代初期に丹後一国を領した宮津藩主京極高広(1599~1677)の時代に、元普甲道から分かれる今普甲道が整備され、途中には茶屋が設けられた他、番所跡と思われる小字新兵衛屋敷、茶屋の跡などが残っています。この際、伝承では「普甲道」の名称が「不幸」に通じるなどとして「千歳峰」と命名され、碑文等が残っています。今でも一部には石畳が残っており、参勤交代で使用されていた往時が偲ばれます。他にも道の途中には廻国供養塔がある他、宮津側の集落は宿場としても整備されたと考えられています。また、慶応2年(1866)に宮津藩によって設置されたと伝わる(「宮津旧記」)関所「胸壁」は、現在も枡形虎口や礎石などの遺構が残存しています。中途にある千歳嶺碑は、道路の拡幅を喜んだ宮津城下町の住人等が国学者賀茂季鷹(すえたか)の歌を堀り、天保2年(1831)に建設されたものです。

普甲寺跡から北側の山頂周辺には「普甲山城跡」という城館類似施設が確認されていますが、普甲道との関係性は不明です。

宮津の城下町は、天正8年(1580)に細川幽斎が織田信長の許可を得て建設を開始していることから、上宮津の小田・喜多・今福などの地域は、普甲寺や普甲道との関係性が深い集落であると考えられています。

近代になると、交通手段が多様化し、次第に普甲峠の利用は少なくなり、中途の集落からの離村が進む中で、普甲峠の利用も少なくなっています。

更に詳しく《資料編》

大江山に残る宮津街道の石畳の道や、どこか懐かしい日本の原風景が残る集落をてくてくあるくガイドツアー

所要時間:約3.5時間
参加料金:お一人4 ,500円(昼食付)

宮津街道おじさん×鬼博 てくてくウォーキング

中世の石畳の古道が残るかつて和泉式部も通ったといわれる元普甲峠、日本の棚田100選のひとつ、毛原の棚田など見所がたくさん。地元ガイドの案内で巡るガイドウォーキング

所要時間:約2時間
参加料金:お一人2 ,500円(昼食付)

和泉式部が歩いた道を巡る 毛原の峠越えご予約はこちらから

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