かつて人々にとって身近な存在だった和紙。生活の糧として全国各地で作られていたが、需要の低迷とともに数々の産地が姿を消していった。京都府北部に位置する「海の京都」では、今なお残る産地で伝統を守る人と、新たに和紙作りの工房を立ち上げた人がいる。
残る産地の一つが福知山市大江町の「二俣(ふたまた)」。1軒の工房が「丹後和紙」として知られる府の無形文化財「丹後二俣紙(たんごふたまたがみ)」を作る。
移住者の女性が立ち上げた新たな工房が宮津市上世屋にある。自然に囲まれた山村でできる仕事を考えると、たどり着いたのは紙すきだった。
いずれも地元の原料や自然を生かし、その地ならではの和紙を作る。