梅の栽培が盛んな綾部市和木町にある洋菓子店「patisserie R. prune(パティスリー・プリュネ)」。大阪の有名ホテルでパティシエをしていた女性が古里で開いた店で、梅を始め地元の食材を使ったケーキは色鮮やかで宝石のよう。海の京都エリアを訪れた際には、ぜひ立ち寄ってほしい店の一つだ。
特産の梅で洋菓子 綾部のパティスリー・プリュネ
山と生きる
梅の名所「松原梅林」
店は綾部市と京丹波町をつなぐ府道広野綾部線沿いにあり、綾部の市街地から車で10分ほど走ると、かわいらしい外観の建物が現れる。店の前には、京都府の梅の名所に選定されている「松原梅林」があり、毎年3月上旬~中旬になると南高梅や鶯宿梅(おうしゅくばい)など約80本が花を咲かせる。この時期になると毎年、「梅まつり」も開催される。
有名ホテル出身のオーナーパティシエ
オーナーパティシエの四方綾子さんは和木町で生まれ育ち、地元の高校を卒業後は料理人を目指して神戸の短期大学で栄養士の資格を取得。もともと菓子作りが好きだったこともあり、卒業後は料理人かパティシエ、どちらの道へ進むか悩んだが、母の勧めもあり、より専門的な技術を学ぶため菓子の専門学校へ進学。卒業後はヒルトン大阪に就職した。
パティシエの道を歩み始めた四方さんは20人ほどのチームに所属し、レストランやラウンジ、ウエディングなどホテルで提供する全ての菓子作りに携わる。菓子部門のトップとなるペストリーシェフの下で技術を磨きながら11年間勤務し、最後の1年はペストリーシェフのアシスタントとしてマネジメント業務も任されるまでになっていた。
多忙な日々を送る中、いつしか独立を考えるようになった四方さんは、古里の和木町で松原梅林を管理する父が梅林のそばでカフェをしたいと話していたことを思い出し、「和木のために何かできれば」とホテルを退職。古里にUターンし、2017年5月にプリュネを開業した。
地元の梅やフルーツを使用
フランス語で「梅」を意味するプリュネの店名の通り、店では松原梅林でとれた梅のシロップとジャムを使った代表商品の「梅のスフレチーズケーキ」を始め、青梅で作ったジャムと梅風味のバタークリームをサンドした「うめブッセ」、梅シロップを使ったバタークリームにカリカリ梅を合わせてバニラクッキーでサンドした「うめバターサンドクッキー」、カスタードクリームを分厚いクッキーでサンドして焼き上げた「うめ入りガトーバスク」など、梅を使った洋菓子が豊富に並ぶ。
このほかにも、定番の「でこぼこシュークリーム」、ヒルトン時代に使っていたココナッツシュガー入りのスポンジで生クリームを巻いた特製のロールケーキ、地元の茶農家「goodies(グディーズ)」のほうじ茶を使った「ほうじ茶ティラミス」のほか、地元でとれるブドウや桃、ユズ、ブラックベリーなど季節のフルーツで作る期間限定のケーキも。
焼き菓子も豊富に
和木梅の梅干しを生地に練り込み、赤じそのパウダーをまぶした「ほろほろ梅干しクッキー」や完熟梅のジャムをはさんだ「梅ジャムサンドクッキー」など、地元食材を使ったクッキーやブラウニー、パウンドケーキなどの焼き菓子も数多く並ぶ。
イートインスペースも
四方さんが一つひとつ丁寧に作り上げるケーキや焼き菓子はマーガリンやショートニングなど植物性の材料は使わず、バターや生クリームの動物性素材を使用。コストがかかり、賞味期限も短くなるが、香りや口どけにこだわっているという。
スタジオジブリが好きという四方さんこだわりの店内にはジブリのキャラクターグッズを並べ、ジブリの世界観を表現。イートインスペースもあり、梅スカッシュといったドリンクとともに、おいしいケーキや焼き菓子を味わうこともできる。
洋菓子で和木や綾部をPR
店の営業は午前11時~午後4時。四方さんは2児の子育て真っ最中のため店は不定休で、営業日はインスタグラムで確認を。
店には地元の人だけでなく、梅林を見物に来た観光客らも訪れるという。四方さんは「地元のフルーツを使ったケーキをもっと増やし、海の京都エリアを訪れた方に立ち寄ってもらい、和木や綾部をPRできれば」と話している。

