京都府伊根町を中心に丹後地方の伝統的な郷土料理として知られる「へしこ」。サバを塩と米糠(ぬか)で漬け込んだ加工品として地元で親しまれ、丹後の土産品として観光客の人気も高い。薄く切ったへしこを軽く炙(あぶ)り、アツアツのご飯と一緒に、またはお茶漬けにしたりと、味わい方は様々。脂の乗ったサバと糠の奥深い風味は酒の肴にしても絶品だ。50年以上にわたって伝統的な製法でへしこの製造を手掛ける京都府漁業協同組合伊根支所(伊根町平田)と、現代のニーズに合わせて新たなへしこを生み出す「へしこ工房HISAMI」(京丹後市丹後町間人《たいざ》)を取材し、へしこの魅力に迫った。
昔ながらの味が楽しめる伊根のへしこ、新しい感覚を生かし進化するひさみへしこ。どちらも丹後を代表する食文化である