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【たんたんで働く】SALON de MiKi 矢野美幸さん
「都会で進学、就職だけがプロではない。私は実家暮らしのまま美容師になりました」

今回は、綾部市の美容室、SALON de MiKi(サロン・ド・ミキ)のスタイリスト、貸衣装店のオーナーとして働く矢野美幸さんにお話しを伺いました。


(プロフィール)
1992年生まれ、綾部市出身。一児の母。中学時代、最年少で全日本美容師技術選手権大会に出場。その後、毎年美容技術の大会に出場をして、数々の上位入賞歴を持つ。高校在学中に京都の美容学校の夜間スクーリングを利用して、美容師免許を取得。同時に高校ではアパレルを学び、和裁、洋裁、共に一級を取得した。現在SALON de MiKiのスタイリストとして11年目を迎え、2012年には貸衣裳AYAもオープン。オーナー、着付け師としても活躍中。

feature

母子2代で愛される人気店

母子2代で愛される人気店

SALON de MiKiは、矢野さんのお母様がオープンされたお店で、綾部の地で25年、地元で愛され続けている美容院です。今では娘の美幸さんも、スタイリストとしてお母様と共にヘアスタイルのみならず、着付けやメイク、ネイルなど、総合的なお客様の美をプロデュースしています。また、美幸さんは2年前に貸衣裳AYAもオープン。着付けやメイク、ネットでのレンタル事業も開始しています。

母の背中を見て、憧れの美容師の道へ

━ ━ この仕事を志されたきっかけは何ですか?

私が学校から帰ると、母が明るく楽しそうに仕事をしている姿を子供の頃から見ていた事もあり、この世界に憧れを抱き、美容師の道を志しました。実際に美容学校へ行ってみて、改めて自分は美容の仕事が好きなのだと実感し、夢中で学び始めました。

━ ━ どんな学生時代を送られましたか?

高校在学中に学校の許可を得て、夜間、京都の美容学校へ3年間スクーリングに通っていました。一回のスクーリングは2週間で、それを3年間で5回通い、美容師免許を取得しました。高校ではアパレルを学び、和裁、洋裁一級の資格を取りましたが、2つの学校と資格、技術の習得の為、学生時代は勉強ばかりで、スクーリングの帰りに終電の中で、高校の課題の縫い物をする事もよくありました。放課後、家に帰ってからも次から次にある課題をこなす毎日で、学生時代は勉強しかしていなかったので、それ以外の思い出がない程です。

━ ━ 地元で暮らす事の良さは何ですか?

実家で暮らす事の良さは、やはり家賃がかからないこと。特に働き始めは給料が少ないので、実家を出て都心部で一人暮らしをしていたら、自由に使えるお金は少なかったと思います。地元なら家賃は都会よりも安く、実家ならばお金はかからないので、その分好きな事に使えます。

美容師という職業は、朝早くに出勤し、夜遅くまでレッスンをするので、肉体的にも精神的にも辛く、辞めてしまう人も多いのが現状です。綾部なら満員電車での通勤も無いですし、親との同居で何かと食事や家事などの生活面でも支えてもらうことができ、私も仕事を続けることができました。

常に技術を学び、レベルアップ

━ ━ この仕事をする上でのやりがいを教えてください。

結婚し、子供が出来るまでは仕事一筋で、技術が向上していく事や、大会へ出て上位で入賞し、レベルアップしていく事にやりがいを感じていました。接客も楽しく、お客様との繋がりができること、お客様にカットの持ちが良いなど喜んで頂け、遠方からも通ってきてもらえる事も嬉しく思っています。

━ ━ では大変な事、また仕事で心がけている事はありますか?

お客様とのコミュニケーションは、楽しさと同時に難しさも感じています。また、常に技術を磨いて維持していく為の学びや努力も必要です。

心がけている事は、常に今の流行を学んで、お客様の望むスタイルの実現や、提案ができる自分でいる事です。見られる仕事でもあるので、子育て中で、うとくなりがちなオシャレも研究して、外見もキレイでいる事を心がけています。

仕事と家族との時間の両立

仕事と家族との時間の両立

━ ━ 趣味や休日には何をされていますか?

子供が出来てからは、子供の好きな事をしています。子供は乗り物が好きなので、一緒に電車に乗りに行ったり、地域の児童館へ行ったり、家族でお弁当を持って公園へ出かけることも。元々服が好きなので、買い物へ行き子供の服選びをするのも楽しいです。

仕事と子育てに忙しい毎日ですが、お店の隣にある画廊喫茶「カフェ日々」へ行き、毎月代わる絵画を見ながらお茶をして、一息入れています。

美容師の仕事も美術館も、休みが月曜日なので、今の仕事では美術館へ行く事は叶いませんが、カフェ日々で、月曜日であっても絵画を楽しむ事が出来ています。

━ ━ 綾部の良い所を教えて下さい。

子育てをする上でも、都会の電車だと子供連れは肩身が狭い思いをする事もありますが、綾部だと、どこへ行っても周りの人達が優しいので安心して子育てが出来ます。都会へ出てUターンしてきた子育て世代の友人と再会してママ友が出来たり、今、綾部やその周辺地域にもオシャレなお店やスポットが増えてきているので、お出かけも楽しいです。

━ ━ 今後の目標や、やりたい事はありますか?

仕事一筋で歩んで来ましたが母になり、子供との時間も大切にしたいと思うようになりました。オーナーを務める貸衣装店でも、ネットでのレンタルを始めたばかりなので、そちらも軌道に乗せていきたいです。

━ ━ これから進学、就職を迎える皆さんへのアドバイスはありますか?

私はスクーリングという形を取る事で、地元を離れる事なく、都会で暮らし、学校へ行くよりも安く、技術と資格を取得する事が出来ました。私のような選択肢もある事を考えに入れて、将来自分がどこでどんな暮らしをし、仕事がしたいのかを考えて、進路を決められると良いかと思います。

 

━ ━ 取材を終えて。

今回の取材で、矢野さんのように地元で生活しながら費用を抑えて学び、なりたい職業に就くというすべてあきらめる事なく手にする方法があったと知り、目からウロコでした。通信制の学校で、地元で働きながら時々スクーリングに通い学ぶ方法も、ネットで授業を受けて資格を取る事も、今の時代、昔よりかなり簡単になってきています。

矢野さんは京都へ頻繁に学びには通って来られたものの、都市部に暮らす人々と何ら変わりがなく洗練されていらっしゃるのが印象的でした。

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