丹後地方最大禅宗様式の山門を有す。1762年に大工延べ8,780人を要して再建された。その他にも、国指定重要文化財の多宝塔など見所がたくさん。智恵の輪灯籠も近くにあるので、立ち寄られては。
天橋立名物の智恵の餅。その歴史は古く、智恩寺のご本尊、文殊菩薩の智恵に由来する智恵の餅は、鎌倉時代、門前の四軒の茶屋がお餅を佛様にお供えし、参拝客をもてなしたという。
現在、四軒の軒を連ねる四軒茶屋で、餡をたっぷりのせた柔らかい智恵の餅をいただくことができる。参拝のついでに食すると、ご利益がアップしそうだ。
「天橋立図」にも描かれている智恩寺は、文殊菩薩をご本尊として祀る。天橋立の成り立ちと文殊信仰との関係は「九世戸縁起」にくわしく、観世流謡曲「九世戸」の素材にもなっている。日本国創世の時、イザナギとイザナミが暴れる龍を鎮めようと中国から智恵の神様、文殊菩薩様を招いたのだという。7月24日、出船祭、室町時代から続いている文殊堂の行事。秘仏の文殊菩薩のご開帳や、「九世戸縁起」を再現したというイベントの行事が行われる。より深く天橋立の起源に触れたいなら、一度は見ておきたい。周辺一帯は、かがり火と灯籠で幻想的な空間に包まれる。
1.智恵の餅は四軒茶屋でいただける。吉野茶屋、彦兵衞茶屋、勘七茶屋、ちとせ茶屋で、それぞれの個性があるので食べ比べてみるのも楽しい。2.文殊堂。智恩寺の本堂、文殊菩薩をお祀りする。国宝雪舟の天橋立図に描かれている。3.境内の等身地蔵尊。「天橋立図」にも描かれており、室町時代から存在することが伺える。4.丹後国守護代が病気の全快を感謝して建立された多宝塔。1501年に落成したとある。