この均整な表情は、オートメーションでは作れない。鮮度の良いいわしの頭と内蔵を、包丁で一匹ずつ取り除いて行くのだが、その時に、目視で大きさや形が選別されていくのだとか。職人技の結晶だ。
職人さんたちが、リズミカルな手捌きで丁寧に一匹一匹いわしを、ぴったりとすき間なく缶におさめていく。手しごとの熟練がなせる技だ。今も工程のすべてが、人の手で行われている。それが宮津名物、竹中罐詰のオイルサーディンなのだ。缶のふたを開けると、きらきらと光った瑞々しいいわしが美しく並ぶ。魚の風味を壊さないようくせのない綿実油で浸けられ、一切れの小さな月桂樹がほのかな香りを誘う。五感を刺激する缶詰だ。天橋立をプリントした缶詰のパッケージも、旅情をそそる。天橋立旅行の想い出になるように、と考案されて、今では地域の代表的スーベニールの一つとなった。ふっくらとした身の豊かな味わいに、旅の記憶がよみがえるはず。
1.左手で押さえ、右手でいわしを並べる。2.一缶に14縲鰀22匹。その重さは計らなくても約70g前後になるそう。これも職人のなせる技。3.天橋立パッケージの他、おしゃれなイラストパッケージも人気。