【ふるさと納税】京都府無形文化財“丹波漆”の技術をもっと身近に(丹波漆)
四方を山で囲まれた福知山は、京阪神と丹後の中継点としての印象がありますが、実は豊かな自然の中で育まれた独自の文化が息づいています。地元の伝統や文化を守りながら、たくましく未来を見据える女性たちを紹介します。
京都府無形文化財“丹波漆”の技術をもっと身近に【丹波漆】
福知山市夜久野町は、京都の伝統工芸を支えてきた「丹波漆」の名産地として1300 年の歴史を誇ります。江戸時代には福知山藩の政策として、漆の木の育成が義務付けられていたことが文献として残っており、明治時代には約500 人の漆かき職人がいたといわれ、山陰、中国地方からの漆の集積地として栄えていました。しかし、戦後は化学塗料の発達や安価な海外産漆の流入により、高価な国産漆は衰退の一途をたどります。そんな中でも熱心な職人たちに引き継がれてきた丹波漆の技術は、1991 年京都府の無形民俗文化財に指定されたことで、改めてその価値が見直されるようになりました。2012 年には丹波漆生産組合をNPO 法人化し、植栽保全や後継者育成、PR 事業などを通して、この希少な国産漆の文化と技術を後世引き継いでいこうとしています。
「福知山市 やくの木と漆の館」は夜久野の文化と漆の魅力を伝えるため、2000年にオープン。
体験工房を中心に、漆器の販売や資料展示を通して丹波漆のPRを行っています。
人気は漆塗りや絵付けが出来る一日体験教室。手軽に本格的な体験ができると評判で、遠方から訪れる人も。また、蒔絵を中心とした漆塗り、蒔絵、金継ぎなど、定期的に通ってじっくり技を身に付けたい人向けの教室にも、熱心な受講者が集まります。
スタッフは、美術や伝統文化に造詣が深い女性3名(2022年3月時点)。皆さん京都市の伝統産業後継者育成制度を通じて丹波漆の歴史や魅力に触れ、Iターン移住を決めた行動力の持ち主です。
今、彼女たちが力を入れているのは、新たな漆商品の開発。
そもそも漆は耐久、耐水、断熱、防腐性が非常に高く、漆以上の合成塗料は開発されていないと言われるほどの優れた塗料。重ねて塗るほどに強度と風合いが増すだけでなく、顔料を混ぜると色漆として美しく発色し、その上から絵付けを施すとさらに華やかさが伴います。またその強度の高さは下地材や金継ぎなどの補修技術にも応用されており、こうした特性を広く商品として活かそうとしています。
「アクセサリーや小物など、女性ならではの感性で、自分が使いたいと思えるものを発信できれば、より身近に漆を取り入れてもらえるのでは」と館長(2022年3月時点)の小野田さやかさんは言います。漆染めのストールや手にしっくり馴染む酒器、上品な艶やかさが魅力のイヤリングなど、繰り返し使うほどに味わいや風合いが増すので、大切な方へのプレゼントや人生の節目などへのお祝い品にもぴったりです。
夜久野に来て10年になる平岡明子さんは「他の伝統工芸や、地元の作家、生産者さんたちと繋がることで、もっと商品ラインナップを増やしたい」と意欲を見せます。実際、鉄に漆を塗って焼き付ける技術の応用など、他ジャンルとの商品企画から新たな可能性が広がることも。丹波の特産品、丹波栗を模した「栗箸置き」は福知山の鉄工所で作られた鋳物に丹波漆を焼付け塗装したもので、漆の風合いがこっくりとした栗の愛らしさを見事に表現しています。
また、こうした横の繋がりを広げていくことで、館内での体験講座の内容もより充実させたいと考えているようです。
髙島麻奈美さんもここで働き始めて7年。「他の漆の産地とコミュニケーションを取ることで、伝統文化を守りたい」と、心強い言葉を残してくれました。
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詳しくはコチラ⬇
https://www.city.fukuchiyama.lg.jp/site/furusatotax/12901.html
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